PROFILE
Charles Mueller 教授
アメリカ?オレゴン州出身。専門分野は第二言語習得、認知言語学。メタファーを研究。「Oral English」や「言語?コミュニケーション演習」などの科目を担当。
英語文化学科 3年 M.Kさん(旭川藤星高等学校 出身)
幼い頃から英語を学び、高校時代に短期留学を経験。英語ネイティブ?スピーカーの先生による授業に憧れて威廉希尔中文网站の英語文化学科に進学。2023年に4カ月間、カナダのカルガリーに留学。
Mさん 私が威廉希尔中文网站に入学したいと思ったきっかけは、オープンキャンパスで体験したOral Englishの授業でした。英語ネイティブ?スピーカーの先生による授業がとても楽しくて、ここでもっと学びたいと思いました。
ミューラー先生 Oral Englishは、本学の英語文化学科を象徴する授業の一つですね。1年生から始まる少人数制の授業で、英語ネイティブ?スピーカーの先生と学生が英語でたくさん会話をしますよね。
Mさん 私は小さい頃から英語を学んでいて、高校生の時には2カ月半ほどニュージーランドに留学したことがあります。その経験から、英語を聞く力と話す力はとても重要でもっと実力をつけたいと考えていましたが、Oral Englishによってそれらを確実に伸ばすことができたと思います。
ミューラー先生 英語文化学科では、<読む?書く?聞く?話す>の4技能をバランスよく身につけることができるカリキュラムを組んでいて、英会話以外にも英文法や英語の語彙などについて学び、総合的に英語力を高めることができます。Oral Englishの授業は、英語を流暢に話し、英語で円滑なコミュニケーションを取れるようになることが目標です。英文を頭の中で組み立てなくても言いたいことが話せるように、発話の機会を多くしています。
Mさん 授業の中で台湾の学生とオンラインで話したこともよく覚えています。私が1年生の時に確か3~4回ほどありました。海外で暮らす同世代の人と英語で会話をするのが初めての経験だったので、すごく印象に残っています。アニメの話とか、お互いの文化の違いについて話しました。
ミューラー先生 そういった機会を設けた狙いは、日本語がわからない学生と英語でコミュニケーションを取ることだったんです。日本人の学生同士だと、英語で伝わらない時はつい日本語を使ってしまうこともありますよね。でも、外国の学生だとそうはいきません。伝わらない時は、別の単語を使ったり表現を変えてみたり、あるいは身振り手振りを使ったりして何とかしてコミュニケーションを取ろうとしますよね。
Mさん はい。絶対に英語で何とかしようという気持ちになりました。
ミューラー先生 その授業を通して、英語だけでなくお互いの文化についても学ぶ機会になりますし、共通の話題で盛り上がる経験もあると思います。今後は台湾だけでなく韓国やモンゴルの学生とも交流できる機会を持てたら良いなと思っています。
ミューラー先生 Mさんはもともと英語が得意だと感じていましたが、3年生になってさらに実力がつきましたね。
Mさん 2年生の9月から4カ月ほど、大学の留学プログラムに参加しカナダに協定校留学しました。その経験もあって、英語でも円滑にコミュニケーションできるようになったのかなと思います。英語力の向上だけでなく、ほかの国やその文化を尊重したいという思いが強くなり、同時に日本で生まれ育ったバックグラウンドを大切にしようという気持ちも芽生えました。
ミューラー先生 Mさんもそうですが、留学を経験した学生はみんな、行く前と帰ってきてからでは学ぶ姿勢が大きく違うと感じますね。英語力が伸びることはもちろんですが、国際人としての振る舞いのようなものが身につく気がします。Mさんも、留学から帰ってきてすごく成長が見られましたよ。
Mさん そう言っていただけると嬉しいです。確かに留学前は、授業中に疑問に思ったことがあっても質問しないでいることもありました。しかし、留学中に自分の意見はきちんと伝えなくてはいけないと感じ、それからは分からないことはそのままにせず、自分の意見をしっかり伝えるようになりました。カナダには、様々な国から来た留学生がいましたが、その中でも日本人はすごくシャイだと言われていました。英語を学ぶにあたって、受け身でいることはすごくもったいないですよね。
ミューラー先生 英語の上達だけでなく、そうした意識が身について自信が持てたのも留学の成果です。まずそのベースとして、留学前にOral Englishの授業で英会話の力をつけておいたのも良かったのだと思います。
Mさん そうですね。そのおかげで留学先でもすんなりと授業に馴染むことができました。
ミューラー先生 Mさんは、私のゼミに所属してメタファーを研究しています。メタファーは認知言語学の研究分野の一つで、言葉が持つ本来の意味だけでなく、その言葉が示す概念を研究するのですが、これらについて全て英語で議論するのは簡単ではありません。それでも本当によく頑張っていますね。そんな学びの集大成として卒業論文がありますが、そろそろテーマは決まりましたか。
Mさん ありがとうございます。私の卒業論文は、メタファーがアメリカの広告の中でどう活かされているのか、その有効性をテーマにしようと思っています。
ミューラー先生 良いテーマですね。メタファーは色々な分野に応用できますし、メタファーを理解していると文学や文化の解釈の幅も広がります。広告に当てはめて考えるのも面白いですね。広告は時代を映します。アメリカもその昔は、広告にアフリカ系アメリカ人やマイノリティは登場しなかったですし、女性はいつも家庭的な表現として使われていました。時代を物語っていますよね。
Mさん 言葉には本来の意味以上に表現されるものがあると分かり、面白いなと感じました。この点をもっと深く知りたいと思い、ミューラー先生のメタファーをテーマにするゼミを選びました。
ミューラー先生 自分で面白いと思うテーマを見つけて、それを研究するのは素晴らしいことですね。大学という場所は、先生から教えられるだけではなく、Mさんのように自分で問題を見つけてそれをどう解決するかを考え、学ぶ場所です。与えられた情報は卒業して10年も経つと忘れてしまうかもしれません。けれど、自分が問題解決を目指して取り組んだことやそこで学んだ方法は、きっとずっと忘れないはずです。大事にしてください。
Mさん 先生のおっしゃる通りです。この大学で、主体的に考え、自ら学ぶことの大切さについて身をもって知りました。これからも、そうした姿勢を大切にしていきたいと思います。
(学年、掲載内容等は2024年取材当時)
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