第3回 マリア像

第3回 マリア像

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名も知れぬ兵士の心打たれる信仰心

50年も前のことだが、修道院に差出人の名前のない手紙が届いた。差出人によると、彼は第二次世界大戦で最前線の激戦地に配置され、大変な危険にさらされた時、ひたすらマリア様にすがりながら、「もしも生きて故郷に帰ることができたら、オーバアマガウの1メートル以上のマリア像を捧げる」と約束したと言う。何年もたって、お金がやっと足りるようになった時、オーバアマガウの芸術家にマリア様のご像を作ってもらったらしい。しかし手紙は、このマリア様を日本のマリア院においてほしいという内容だけでその差出人の名前は未だに知られていない。

危険のさなかに自分の力や武器よりも、マリア様に祈るこの兵士の信仰心、また、戦後の大変貧しいドイツの中で、約束を果たすために何年間も苦労を重ねたその忠実さに、私は深く心打たれている。
(Sr.M. クレメンス)

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製作者 不明(南ドイツ オーバアマガウ製)
寄贈者 聖ゲオルギオのフランシスコ修道会 ドイツ本部
設置年月 1956年
設置場所 北16条校舎1Fロビー